研究分野

 構造物をつくるためには、材料が必要となる。昔は、木材や石材が用いられていた。現在でも、これらの材料は使われているが、量的にわずかであり、建設材料の主役は、鉄、コンクリートおよびアスファルトなどとなっている。本研究室では、主に、コンクリートおよびアスファルトを対象とした研究を行っている。
 コンクリートは、丈夫で長持ちしなければならない。ところが、最近は、新幹線のトンネルで、コンクリートの塊が落ちてしまった事故に象徴されるように、コンクリートの信頼性が大きく揺らいでいる。コンクリートの耐久性を損なう原因は数多く、このうち、本研究室では、凍害、塩害および乾燥収縮などの問題に取り組んでいる。
 コンクリートの技術は日進月歩であり、新しい技術が次々に開発されている。たとえば、練り混ぜた段階で、きわめて軟らかいコンクリートが注目されており、これを高流動コンクリートと呼ぶ。本研究室では、この高流動コンクリートを普及させるため、実験を積み重ねてきた。さらに、廃棄物の有効利用も、今日的課題であり、ガラス屑などの廃棄物を、コンクリートの材料として利用する方法についても検討している。
 アスファルトは、主として、道路の舗装に用いられる。温度に敏感なアスファルトは、夏場に軟らかくなり、車が通ると、わだちができる。これを流動と呼んでおり、流動しにくいアスファルト舗装を目指した研究を続けてきた。わだちがあれば、そこに雨水がたまり、車はスリップしやすく、歩行者は、水跳ねに悩む。水を通すアスファルト舗装も開発されており、これを排水性舗装と呼ぶ。排水性舗装も、本研究室のテーマのひとつである。各種廃棄物をアスファルトに混ぜて、有効に利用する方法も検討している。
 このように、本研究室のテーマは幅広く、大学院生卒業研究生が、それぞれ独自テーマをもって、実験に励んでいる。

研究内容

 高流動コンクリートの諸性質
 低流動コンクリートの諸性質
 コンクリートの耐凍害性
 コンクリートの乾燥収縮メカニズム
 セメント結晶増殖材を用いたコンクリートの補修・補強
 コンクリート塩害の防止対策について
 コンクリート新混和剤の開発
 アスファルト舗装の耐流動性
 排水性アスファルト舗装
 廃棄物のアスファルト混合物への有効利用
 路盤・路床における廃棄物の再利用

研究論文はこちら

Topへ