地震学はいろいろな意味を持っている. 地震そのものを扱う学問でもあり,地震を利用して地球内部, 地殻内部を探査する学問でもある. 地震といっても人によって印象が異なる. 純粋に地殻内部,プレート内部のせん断破壊現象を意味する狭義の意味の場合もあれば, 地震によって発生した地震波動が地表で観測され, 大きな構造物の破壊現象を伴う震動現象となった事実を意味する広義の場合もある. 地震工学分野ではむしろ後者が学問の興味の対象である. すなわち,大地震の際,観測される地動の最大変位,速度,加速度が重要な要因であるし, また,それらの予測が最終的な目的となる. 地震動は異なる周波数から構成される複雑な震動現象であるため, その予測は非常に難しい. これは,最終的に観測される地動震動が,震源自体の周波数特性, 震源から出発して観測点まで伝播してくる間の経路の特性, 観測点直下の堆積層による増幅特性がすべて総合した形で表されるからである.
山本英和(Hidekazu YAMAMOTO)
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